[ 検査結果でわかること 14 ]

心電図で不整脈が認められた時

日本臨床検査医会 岡田 正彦


2002.05.01

脈がみだれたら!

不整脈とは
 健康な人の心臓は、規則正しいリズムで、1分間に50〜90回くらい収縮を繰り返しています。このリズムが乱れたり、極端に早くなったり、遅くなったりする状態を不整脈といいます。

心電図とは
 心臓の収縮は、電気の刺激によって調節されています。その電気波形を記録したものが心電図です。図に、健康な人の心電図を示しました。すべての波形が規則正しく並んでいます。心電図は重要な検査ですが、不整脈の診断にも活躍しています。

よくある不整脈
 不整脈にもいろいろな種類があります。多くの人にみられる代表的なものを図に示しました。

心室性期外収縮:矢印がそうです。脈が時々乱れます。その際、ドキッと感ずることもあれば、自覚症状のないこともあります。この例のように数が少なければ、特に治療の必要はありません。数が多ければ,精密検査や治療が必要となります。


心房性期外収縮:矢印で示した2ヶ所がそうです。多くの場合、生まれつきの体質で、自覚症状はないことが多いようです。他に心臓の病気がなければ、治療の必要はありません。

心房細動:全体のリズムが大きく乱れているのが特徴です。年齢とともに起こりやすくなります。血流も乱れるため、血液が固まりやすくなり、時に脳卒中の原因になったりします。早期に治療を受ければ、治ることが期待されます。

右脚ブロック:リズムは乱れていませんが、波形が少し変です。電気の流れる通路に異常があります。生まれつきの体質のようなもので、めまいなどの症状がなければ、治療の必要はありません。